【RIDE】鴻海が工場買収と株価乱高下

めーめーおじさんです。

以前から動向を追い続けている銘柄であるRIDE(ローズタウンモーターズ)ですが、先日非常に大きなニュースが舞い込んできました。

その内容というのも、世界最大の電子機器受託生産を請け負う台湾のフォックスコン(鴻海科技集団)が、RIDEのオハイヨ州にある工場を買収したというニュースです。

このニュースを受けて株価は急騰し、9ドル近くまで株価を戻しました。

事業を継続するのが難しいほどに資金難に苦しむRIDEですが、今回の工場売却により約2億3000万ドルの現金を手に入れる事となります。

また、フォックスコンについては、RIDEの他にもEV生産を手掛ける企業を持っている事や、7月に行われた株主総会の際に「全世界にEVの工場を建設する」という話をしており、既に約1800社のサプライヤーとの協力関係を結ぶなど、EV市場参入に向けた並々ならぬ意欲を持っています。

内容は別にして、潰れかけた日本のシャープを買収し立て直すなど、その企業経営手腕も相当ですし、iPhoneを始めとする世界の電子機器を製造してきたノウハウの恩恵を受けられるとなると、RIDEにとっては非常に良い話のように聞こえます。

また、フォックスコンにとっても今回のRIDE工場買収については非常に良い話でもあるわけです。上述した通りEV市場への参入と2025年までにEV市場世界シェアを10%まで獲りたいという目標を掲げているわけですから、既に生産設備が整っている工場の取得と、ある程度の技術的基盤を保有するRIDEとの協力は、時間を買い一気に市場へ切り込むチャンスとなるわけです。

これだけ書けば良い話ばかりに聞こえてきますが、その後の株価は一気に急落し52週最安値付近まで落ち込んでいます。

この下落理由については、株価が8ドル台まで急騰している中で、RIDE株をフォックスコンが1株6.89ドルで購入するという報道が出たからですね。

これを嫌気した投資家が一気に売りに動いたために急落したようですが、引き続きモルガンスタンレーが目標株価を2ドルに設定するなど、ホルダー泣かせの展開が続いています。

さて、これらの一連の流れからRIDEの今後をどう考えるか?が大事だと考えているわけですが、まだまだ油断は出来ないなというところが正直なところです。

まずは、RIDEが現在抱える最大の課題というのは、事業経営を継続出来る現金が無いという事です。今回日本円で約250億もの現金を手に入れる事となるわけですが、来年までEVの本生産に入れない=売上が立たない状態が続くわけで、どこまでその現金で経営が持つのかという部分が不透明すぎます。

これまでの決算を受けて、運転資金の消化が想定以上に早いことが分かっているわけで、今後もそうならない事はわからないわけで、そもそも倒産リスクを抱えている企業へ投資を行うという事自体が非常にリスキーだなと感じます。

続いてのリスクというのは、RIDEのEVピックアップトラックを受託生産する企業がフォックスコン1社のみという事となる事です。

普通は生産を委託する側は、様々なリスクを回避する観点から2社以上へ生産委託をするものです。iPhoneを受託生産する最大企業はフォックスコンである事に変わりありませんが、他の企業でもiPhoneは生産しているわけです。

しかし、まだ発売もしていないRIDEのピックアップトラックを生産してくれる受託生産会社が今後出てくるでしょうか。フォックスコンはRIDEのハブモーターなどの技術に興味を示しているみたいですが、確かな技術があったとしても売れるかどうかは別問題です。

EVは内燃機関とは違いスマホのように電子部品を組み立てる様に作れるなんて話を聞きますが、そんなわけないだろうというのが私の考えです。

部品点数は内燃機関の車両よりも減るとはいえ、安全水準レベルは同等レベルを求められますし、そもそも車両を作るという工程1つ1つに既存メーカーはノウハウを蓄積させてきたわけで、そういった技術の塊である自動車という製品をポンポンと受託生産出来る企業がどこまで出来るかが私にはまだわからないのです。

だからこそテスラですら長い期間を経てようやく現在に至るわけで、フォックスコンも技術を持っていそうな企業へ近づいているのではないかと感じるわけです。

最悪、技術だけ盗られて・・・なんて事を想像はしたくはありませんが、台湾企業とはいえ中国本土と結びつきが強いフォックスコンだけに少し穿った見方をしてしまいます。

ちなみに、フォックスコンについては、話題のapple carの生産を狙っているという話も出ていますので、RIDEは関係ない話になりそうですが、仮にこういった話が現実化した時に、EV市場は更に混沌としてきそうな感じですね。

となると、EV市場はどうも参入障壁が低い、所謂レッドオーシャンとなりそうなので、どうも長期的な目線では投資をしにくいなというのが正直なところです。

そうなってくると一定のブランドを築きつつあるテスラはやはり強いのでしょうか。個人的には北海道という雪国で暮らす以上、まだまだEVとは縁のない生活となりそうです。

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