【値下げ】総務相による携帯料金値下げ圧力と政治家の勘違い
めーめーおじさんです。
12月1日の報道で、携帯電話大手のNTTドコモが、菅政権が政策の目玉に据える携帯料金引き下げ要請に対し、主力ブランドの値下げで対応することを発表したとありました。
ここ最近の動きでは、ご存知の通りKDDIやソフトバンクは要請を受けて、グループ内企業の格安ブランドで新料金を発表し政府に対抗?、そして総務省の武田総務大臣はそれに対して批判を繰り広げています。
この件について個人的に思うところがあり記事にしていきますが、今回は大手携帯会社の立場にたって少し考えていきたいと思います。
大手携帯会社は安易に値下げ要請には応じない
正直なところで携帯大手3社についても色々と思う所はあるわけですが、あえて一旦それは置いておきます。
今回、菅政権が世界的に見ても消費者が負担する通信料金が高いので値下げしろと言っているわけです。しかし、大手携帯3社は安易に値下げ要請には応じないでしょう。むしろ、どうやって今の利益を確保しながら政府の顔を立てて対応しようかと知恵を絞っているところだと思います。
現状では、NTTドコモやKDDIのホームページから確認すると、両社とも利益率は20%前後となっています。この高い利益率から、KDDIに関しては四季報によると従業員の年収が平均930万円(42.8歳)という高級が支払われています。
これは世間的に見ても非常に恵まれている水準だと言えます。外から見たら、国民の財産である公共の電波を使用して儲けているように見えますから、妬み僻み、また批判の対象にしやすい事ことでしょう。
しかし、従業員からしたら携帯料金の単純の引き下げは自分の待遇改悪に繋がりかねないため、必死に現状の利益を確保しようとするでしょう。私が当事者であれば国民のために自分の給料が下がって良いなんて思う訳は有りません。
そもそも、格安携帯会社がいくつもあり選択する自由がある消費者に対しては、そういったところと契約すればいいではないかとさえ思う事でしょう。
また、決算資料を見ていると大手携帯会社の毎年の設備投資額は約5000億円を超える巨額を投じています。今後は5Gへの対応などありますから、そこへの投資を減らすわけにはいきません。
単純に利益が減らばどこかを削らなければいけません。世界的にこういった分野への投資は加速しており、取り残されるわけではいかないでしょう。ここを削るという選択もあまり考えられません。
そして、今回の要請にいちいち応じていたら、時の政権の国民への人気とりでやくざの如く都度様々な要請を受ける事になるでしょう。これは民間企業としてのプライドにも関わる問題です。安易に受けずにのらりくらりと対応しながら政府へ出来得る限りの抵抗を試みる事でしょう。
消費者側に立てば、携帯料金の値下げは恩恵が大きいです。しかし、リテラシーの高い消費者はそもそもそういった選択をしません。携帯各社が設備投資を遅らせてインフラ整備が遅れる様なら結局は消費者がツケを払わされます。
そもそも、携帯各社の値下げプラン自体、一般的な使用をする消費者には恩恵はほぼありません。一部のヘビーユーザーが一番得をするようになります。
政府もここまで労力を割いている暇があれば、同じく公共の電波を使い面白くもない番組を垂れ流す民放や、ほぼ税金と化し、罰金まで導入しようとしているNHKへメスを入れる方がよっぽど国民の人気を得られると思います。
まあそんな事は激しくマスメディアが反応する事が予想されるので、やり易いところからやってしまおうという思惑が見え隠れします。
そもそも、国民の人気・支持を得たいなら、議員定数・報酬のカットを断行すればいいのです。携帯会社はあくまで民間企業なのですから、どこかの共産主義国家のように人にばかり厳しくせず、まずは自分たちの身を切れと言いたいです。
なぜ私がここまでこういった民間企業に対して高圧的な対応をしてくる政治家が嫌いなのか、私が勤めている会社は比較的大きな会社になりますので、ある程度は政治の世界とも関わらざる得ない時があります。
過去に遡ると、民主党が自民から政権を奪取して勢いがあった時に、これまで一度もコンタクトを取ってこなかった民主党政権中枢の政治家がどうしても会社に来たいと言ってきました。
それこそ世間も浮足立ち、旧態依然とした自民党政治が終わり日本に変革をもたらしてくれると国民総勘違いをしていた時期です。会社幹部が集められ私も対応に当たりましたが、まあ酷い物でしたw
早々に私はこりゃダメだと見切りをつけましたが、案の定の結果となりましたが、この出来事以来個人的には政治家に対して相当アレルギーが出来てしまいました。もうね、何様かと。
立場は違うかもしれませんが、同じように政治家から国民の人気とりのために、「お前の会社の製品を国民のために値下げしろ」と言われたらどう思うか。
競合他社と切磋琢磨し、技術を磨いてノウハウを確立し商売をする。そこにどんな苦労と努力があるかわからないのかと思ってしまいます。それが真に国民のためになるのか?一時の目先のことに捉われ、国民のためという建前で実は政治家のためだったと少しでも感じてしまうと、もう私は気持ち的にダメですね。
ますます日本株への投資意欲が減退していきます
今回の携帯料金値下げ要請については、投資家にとってほぼメリットはありません。次世代技術の5G、そしてその先の6Gを見据えた施策が全く見えません。
民間企業がいくら努力をしても、その果実を政府が刈り取っている現状では、投資家からの資金は集まらないのではないでしょうか。
これでは大きな視点で、資金が集まらず株価上昇という最も投資家が恩恵を受ける状況には到底なり得ません。本当にがっかりしています。
唯一の希望の光はNTTですかね。総務相からの要請が出てから素早くドコモの完全子会社化を発表しました。実際のところはどうかわかりませんが、規模拡大により世界に対抗しうる次世代通信会社になって欲しいと思います。
NTTの大株主は財務大臣で発行済み株式の33.93%を保有しています。先の値下げ要請に応じたのも、ある程度政府に対しての牽制、したたかな対応と考えたいですね。
それにしても、リアル半沢直樹の世界ですねwまあこんなパフォーマンスに騙される国民も国民ですが。何度で言いますが、政治家はお金の件で他人にお願いをする前に自分の身を切れと声を大にしてもう一度言っておきます。
ディスカッション
コメント一覧
ドコモの完全子会社化は、電話回線の将来性が無く行き詰っていたNTTの収益見栄えを
よくするためだとおもう。
コメントありがとうございます。
なるほど・・・、確かにその通りかもしれません(^^;
ご指摘ありがとうございます。