【PLUG】オーストラリアにて事業拡大、FFIと事業提携しグローバル化が加速

めーめーおじさんです。

PLUG関連記事の3連投です。今回の記事については、ニュースリリースであったオーストラリアにおいてFortescue Future Industries Pty Ltd(FFI)と50対50の合併事業を行う事を発表した件について取り上げていきます。

※ちなみに関連する過去記事はこちらから遡れます。

【PLUG】フィリップス66(ガソリンスタンド会社)と提携

さて、早速ですがニュースリリース内容を確認していきましょう。ちなみに一次情報へは下記リンクから飛んでください。

『PLUG POWER TO PARTNER WITH FORTESCUE FUTURE INDUSTRIES TO MANUFACTURE ELECTROLYZER TECHNOLOGY IN AUSTRALIA』

・オーストラリアのクイーンズランドにギガファクトリーを建設し、PEM電解槽を生産して将来的な燃料電池システム、その他の水素関連の燃料補給、貯蔵インフラを拡張できるようにする予定
・FFIは合併会社で生産された製品の主要顧客となる
・オーストラリアには十分な太陽光と風力があり、PLUGと協力することで未来を創造出来る(FFIのCEO談)
・合意に基づきFFIは250メガワットのPLUGの電解槽を購入し、納品は2022年後半に予定されている

といってところが要約となります。ここでそもそもFortescue Future Industries Pty Ltd(FFI)という会社がどういった会社なのか?というところから触れていきたいと思います。

ネットで検索をかけると設立は2018年と出てきますので比較的若い会社だという事がわかりますが、ニュースリリースの同社説明欄にはFortescue Metals Group Limited(Fortescue)の100%再生可能エネルギー産業会社っすと書いてあります。

という事で、Fortescue Metals Group Limited(Fortescue)という会社から調べていくと、なんと世界的な鉄鋼採掘事業者であることがわかりました。

いつもの如くウィキペディアの方が詳しいのでそちらを参考にしてくださいw(リンク先はこちら)。

この時点で鉄鋼会社と再生可能エネルギー会社ってどんな繋がりが?となっていますが、Fortescueの決算資料やらホームページをちょこっと見させてもらいましたが、簡単に言ってしまえば、どうも環境に配慮をした事業経営を行う事を重視しているようです。

通気決算資料の1つでサステナビリティレポートを出していましたが、これが128ページに渡る大長編だったものですから、途中で見るの止めてしまいましたwww

24ページぐらいにFFIについての記載が出てきますが、正直なんのこっちゃかよくわかりません。というわけで何となくこれは私の想像になりますが、鉱石の採掘事業には採掘から運搬に至るまで様々な化石燃料を使用する機会を使用しており、こういった部分からクリーンエネルギーへ転換しようとしているのではないかと考えられます。

現にホームページには「気候変動」というサイトをわざわざ作成し、「2030年までにカーボンニュートラル目標を設定する、FFIにより金属加工、長距離輸送、工業用暖房などの脱炭素化を図り、グリーン水素プロジェクトを推進する事で世界のエネルギー転換を主導する」と書かれていますから、そういう事なんだなという事ですね。

また、さらにこれらの背景も少し深堀しておきたいところです。

オーストラリアの再生可能エネルギー事情

世界的な潮流として脱化石燃料という流れは変わりないと思いますが、オーストラリアについても同様の事が言える状況です。

この辺がジェトロに詳細なレポートがまとめてあるので興味がある方は一読しておくべきでしょう。私もその公開されているレポートを参考にさせて頂いているのですが、それによるとオーストラリアは2019年に国家水素戦略「H2 under 2」を発表しています。

これによると、連邦政府によって需要と供給を同時に作り上げる「水素ハブ」の構築を柱としているようです。簡単に言ってしまえば、サプライチェーンとエンドユーザーを一カ所に集約し、技術革新とコスト削減を狙う政策のようです。

これにより既存エネルギーからの代替品としてのグリーン水素を浸透させるために、グリーン水素の生産コストを1kg当たり2豪ドル(1豪ドル=約84円)まで下げる事を目標としているようですから、現状の生産コストに比べると非常に低コストで生産できるようにしたいみたいですね。

現状ではグリーン水素生産コストは1kg当たり3ドル~8ドルと言われていますし、欧州の洋上風力発電を利用した2030年生産コスト予測は1kg当たり2.6ドルと言われていますから、これらと比較してもかなり安いなあと言う感じです。

当然、電力価格が現在と変わらないという前提条件付きなわけですが、ここでオーストラリアの特殊事情が絡んできます。

というのも、オーストラリアの太陽光発電による発電コストはめちゃ安らしく、これらの再生可能エネルギーを活用すればこういったグリーン水素の生産コストを劇的に下げられるという事です。

これは完全に地の利ですねw羨ましい限りです。

しかし、これも面白いと言ったら失礼かもしれませんが、世界でも有数の資源大国であるオーストラリアは、国内の化石燃料業界による熱心なロビー活動により再生可能エネルギーに関する取組がこれでも遅れているそうなんですね。

という関係で、多くの州政府が連邦政府に先駆けて様々な政策を打ち出している、というのが現状のようです。

PLUGへの影響は?

今回の提携を受けてPLUGへはどんな影響が出るのか?という肝心な部分ですが、ニュースリリースにもある通り、合併会社を通じて生産されたPEM電解槽は確実にFFIへ販売されることになるわけですから、これによる収益への貢献は相当なものが見込めるのではないかなと考えています。

一から販売先(顧客)を開拓する必要がないわけですから、これは非常に大きいと感じます。確かにギガファクトリーの損益分岐点がどこにあって~とかその辺の部分はよくわかりませんが、オーストラリアというグリーン水素に関して大きなポテンシャルを持つ国へ橋頭保を築けたことは、将来性と言った面で大きな意味を持つはずです。

また、グリーン水素を生産するにあたり、現状の技術ではコスト高になるとはいえ、大規模化を図るにはPEM電解槽が最適解なわけですし、PLUGの前回決算でアナリスト向けの説明で北米で建設中のギガファクトリーにおける電解槽製造コストが自動化を進める事で約20%削減できるというコメントもありました。

これらの動きから後追いで行くわけですから、個人的には製造コスト削減によるオーストラリア国内における電解槽販売の裾野の広がりにも期待したいところです。

今回のニュースリリースについても今日明日に収益に貢献する内容ではないですが、PLUGの進んでいる方向性には間違いはなさそうという事はわかりましたので、更に私のPLUG株を握りしめる手に力が入りそうな感じになってきたのは言うまでもありませんw

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