【PLUG】フィリップス66(ガソリンスタンド会社)と提携

めーめーおじさんです。

前回記事に引き続き、プラグパワーのシンポジウム内容をまとめていきます。今回はフィリップス66(PSX)という会社との提携についてです。

※前回記事はこちら

【PLUG】航空機器製造大手エアバス社と提携

まずはフィリップス66という会社はなんぞやという部分からですが、簡単に言ってしまえば全米各地に2400箇所以上のガソリンスタンドを展開する大手の一角です。

詳細はウィキペディアに書いていますので見てみて下さい(雑wリンクはこちら)。

その内容を見ている限りでは凄い会社ですね。売上高は日本円で17兆円あります。日本で似たような会社はENEOSになるのでしょうか。日本最大手になるENEOSの売上は11兆円ですから、どれぐらいの会社かというのは想像できると思います。

また、あの世界最高の投資家であるウォーレン・バフェット氏が率いるバークシャー・ハサウェイ(BRK)が大株主だそうですね。

ガソリンスタンドを経営しているぐらいですから、石油にまつわる事業を展開しているわけです。

さて、話は最初に戻りますが、今回の発表内容を要約していきます。ちなみに一次情報へは下記リンク先から飛んでください。

『PHILLIPS 66, PLUG POWER SIGN AGREEMENT TO ADVANCE GREEN HYDROGEN』

  • integrating and scaling low-carbon hydrogen in the industrial sector;
  • advancing hydrogen fueling opportunities for the mobility sector; and
  • developing hydrogen-related infrastructure to support the build-out of the hydrogen value chain.

要約と言ってもこの3行かなあと思いペタッと単純に貼り付けておきましたwまあこれだけではフワッとしすぎていてよくわかりませんよね。私もよくわかりませんwww

何となくですが、

  • integrating and scaling low-carbon hydrogen in the industrial sector;

各産業部門でバラバラで動いている低炭素水素について、一緒に動いていく事で規模拡大を更に図っていこうよ。

  • advancing hydrogen fueling opportunities for the mobility sector; and

自動車業界に対して水素燃料供給を促進していきますよ。

  • developing hydrogen-related infrastructure to support the build-out of the hydrogen value chain.

水素バリューチェーンを構築していくにしても水素関連のインフラを整えていかないといけなくね?

みたいな感じかなあと私は読んでいますがどうなんでしょうw本文の最後にフィリップス66の新興エネルギーグループのVP(ヴァイスプレジデント)が、

「当社では、水素は新興エネルギーポートフォリオ戦略において重要な要素なんだよね」

と語っています。

今回の提携について考察する

考察といっても素人の思い付きレベルですが、考え得る背景を読み取っていきたいと思います。

近年の世界的な潮流としては脱化石燃料が顕著に進んでいます。EV大手のテスラが台頭しているように、自動車の電動化が進んでいますし、トヨタのプリウスをはじめとして、現在の自動車は非常に燃費もよく石油の使用量が減ってきている状況となってきています。

まさに分かり易い事例が日本にもありますが、直近ではENEOSが脱石油を掲げて再生エネルギー事業会社のJREを2000億円で買収しました。更に、トヨタと協業して水素の活用によるエネルギー自給を目指した実証都市「ウーブン・シティ」の建設を発表しました。

この一連の流れというのは、脱石油による企業の生き残りを賭けた事業の多角化、事業経営の変化を意味しています。

かつての富士フィルムがそうであったように、変化する市場に果敢に攻勢をかけていると言っても過言ではないでしょう。

よく石油銘柄へ投資を行う投資家から聞かれる話では、

「石油の需要がなくなることはない」

というのがよく聞かれます。それは正しいのですが、それに関連する産業で影響が出ないわけもなく、そのままでは衰退していく一方だと言う産業があるのも事実です。

特に自動車を含めたエネルギーセクター関連、ガソリンスタンドなどは死活問題でしょう。早期にこの時代の変化に対応していかなければいずれは事業を縮小、撤退しなければいけない時期が遅かれ早かれ来ることでしょう。

そういった危機感からのENEOSの動きだと思いますが、フィリップス66も同じなんだと思います。決算資料などをみているわけではないので、事業セグメント別の売上構成比がどうなっているかはわかりませんが、今後の市場縮小は間違いなく、それで事業ポートフォリオを新興エネルギー(水素)へ力を入れていかざる得ない状況になっていると考えられます。

さて、ここでPLUGですが、PLUGの課題としても水素の需要を増やす、市場拡大を図らなければならないというのが挙げられます。

PLUGは供給者側ですが、需要家がいなければ商売になりませんし、水素普及に最も障害になっている部分は、水素のエネルギー分野におけるコスト競争力と供給側のインフラ未整備なわけです。

水素の需要家という部分では、このところ急速に関連する企業とのパートナーシップを結んでいますから、着実に進行しているように感じていますから、水素の利用量が拡大していけばいくほど相対的にコストは下がっていくでしょうから、その次の壁になっているインフラをどう整えていくのか?という部分が大きな課題となるわけです。

新規で水素インフラを構築していくとなると莫大な時間とコストがかかるわけですから、既存の施設を活用したインフラ網を整備出来るならばそれが最適解となるはずです。

そこでフィリップス66という会社が登場するわけです。全米各地に膨大なガソリンスタンド網を構築しているわけですから、将来的にPLUGで生産されたグリーン水素をフィリップス66の既存インフラを活用して全米に供給出来る体制が整う場合、水素の長年の課題だった供給網が整う事となります。

と、私は考えるのですがどうでしょうか?なんかワクワクしませんか?PLUG以外にも水素事業者が数多ありますが、各セクター、それもグローバルにパートナー企業を見つけ着々とグリーン水素ハイウェイを構築しているのはPLUGぐらいではないでしょうか?

自社の強みを生かしつつ、弱点をセクターのリーダー企業と協力して事業を進めて補完し合っているわけですから、水素経済を形成していく中で他企業と比較した際にスピード感が段違いに感じます。

はっきり言ってしまえば、先のエアバスの件もそうですが、今日明日にも売上に貢献するかと言えば全くそうではありません。

しかし、数年先にこのパートナーシップが軌道にのれば莫大な収益を生み出してくれる、そんな希望を抱かせてくれる、そんな最高な提携であったと私自身は考えています。

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