【20年3Q決算:ビザ】V決算から見る世界経済の不透明感

めーめーおじさんです。

保有銘柄のV(ビザ)が最3四半期決算発表を行いました。これまた人気銘柄のため、既に今回の決算内容について詳細な内容を記事にしている方々がいますので、今回も私の主観で思った事を中心に書いていきたいと思います。

しかし、その前に基本的な部分だけは押さえておきたいので、決算資料1ページ目をペタッと貼り付けておきます。

※ビザ決算資料より

・収益48億ドル(前比▲17%)予想○
・EPS1.06ドル(前比▲23%)予想○
※売上アナリスト予想未達という解説を多々見ますが、見ているサイトで違うのかなと思います。今回は敢えて自分が見ているサイトの結果を出しています。
・Payments Volume 前比▲10%
・Cross-Border Volume 前比▲37%(ヨーロッパ除く前比▲47%)

と、こんな結果となっています。個人的に最も気にしなければいけないと感じている部分としては、「Payments Volume」と「Cross-Border Volume」の大きな落ち込みとなります。

何を今更当たり前のことを言っているんだと思われるかもしれませんが、今回の決算にはパンデミックの影響がもろに出ている数字となっています。

本来であれば今回の四半期決算は所謂「業績の大底」となる可能性が高いと思っていましたが、最近のコロナ感染拡大の報道を見ていると、まだまだこの状況は続く可能性が高いといえます。

そうなると、大底となる第3四半期の業績が年度末まで引きずる可能性が高まってきたのではないかと考えます。

米国のワープスピード作戦に見られるように、各国が総力を上げてワクチン開発を行っていますが、それが上手く行っても年内、もし最悪のケースになれば来年以降もコロナの影響を大きく受けると容易に想像が出来ます。

むしろコロナ不況に耐えきれず倒産していく会社は増え続けるでしょうし、そのあおりを受けて失業者は増えていく事でしょう。

必然的に消費に回るお金は少なくなり、ビザの業績にも大きな悪影響を及ぼす事が考えられます。それらを考えると、今後コロナが落ち着くまでの数年間はビザへの投資はこれまでの株価の成長を考えると、大きな我慢を強いられる可能性が高いと考えられます。

※ビザ直近1年間株価チャート

既に株価は今回の決算を受けてネガティブな反応を示しています。コロナ前では200ドルを超えていましたが、直近では190ドルを割るのではないかという状況です。

こういった状況ですので、ホルダーの方々の投資方針によっては一旦ここで退場するという決断をされた方もいるかもしれません。しかし、私としては今回の決算内容を受けたとしても、特段想定しているシナリオから外れているわけではないので、引き続きバイ&ホールドを継続するという判断をしました。

将来への種蒔きが見える限りはホールドしたい

事業内容からして一般消費者の消費動向、とりわけ米国内の消費力に大きく業績を左右されてしまいますが、過去から見て分かるように景気のサイクルは好不況を循環しています。

今後数年間、もしくは10年にも及ぶ景気停滞期が訪れないとも限りません。しかし、明けない夜はないように、永遠に経済不況が続くものでもありません。

私の投資スタンスは10年以上の長期投資が基本スタンスとなりますので、その先で着実に利益を積み上げ株主に還元し、永続出来る企業への投資を原則としています。

今回の「あまり良くない決算」であったとしても、現金を稼ぐ力は凄まじく、純利益率で「48.5%」という数字をたたき出しています。

また、決算の業績コールで以下のような点に触れられています。

In markets where e-commerce is not as developed there are examples of dramatic changes in adoption. Argentina experienced active e-commerce card growth of over 100%, and Romania, 70%.
(eコマースが発展していない市場で、劇的に取扱の劇的な変化が見られる。アルゼンチンでは100%の成長、ルーマニアでは70%の電子商取引の成長が見られる)

上記のように、経済は今後も依然厳しい状況が続くと考えられるものの、今回のパンデミックを契機としてビザの事業内容の拡大が着実に進んでいくのではないかと考えます。

これ以外にもいろいろと書いてありましたので気になる方はこちらを参照してもらえれば原文を読むことが出来ます(こちらをクリック)。

間違いなく今回のコロナ禍を生き延びる事が出来る強固な財務基盤と、決算資料にもあるように自社株買いを含めた株主還元姿勢、そして経済が上向いてきたときに更に業績を伸ばしてくれそうな種蒔きを変わらずやり続けている事からも、ある意味では低迷期に入ったかどうかはわかりませんが、自分の将来のために今こそコツコツ株数を増やす良いチャンスなのではないかと考えます。

シナリオが崩れるときはどういった場合か?

あまりこの部分には触れてきませんでしたが、はっきりと自分の中でビザ株を売るシナリオは出来上がっています。それは・・・、

『現在の優位性を他社に崩されたとき』

と考えています。具体的には、現在の圧倒的市場シェアを奪われる(可能性がある)事により、稼ぐ力が弱くなる(利益率の大幅低下)と考えています。

そういった意味では、決算資料にあるようにクライアントインセンティブの増加が気になるところではあります。

前回までの決算では取引量が増えているためにある意味で正当化できる部分はあるのですが、今回はこういった悪い数字が出ているのに増加しています。

圧倒的とも見えるビザの事業内容ですが、マスターカードをはじめとして強力な競合もいますので、盤石であるとは言えないのも事実です。

こういった部分に個人的には注意しながら今後もコツコツと積立て投資を行っていきたいと思います。

※前回決算(2020年第2四半期)のまとめです。

【VISA】安定感抜群な決算内容とボーナスタイム到来か

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