【PLUG】電解槽事業に光明、世界に選ばれるプラグパワー!!!

めーめーおじさんです。

11月24日、PLUG(プラグパワー)が非常にエキサイティングなニュースリリースを出しました。

『PLUG POWER SELECTED BY FERTIGLOBE’S GREEN HYDROGEN CONSORTIUM TO DELIVER 100MW ELECTROLYZER FOR GREEN AMMONIA』

いつものように一次情報のリンク先を貼り付けておきましたので、気になる方は直接見に行ってください。

内容は上記英文タイトルの通りなのですが、Fertiglobeという会社が中心となった水素コンソーシアムからグリーン水素を生産する電解槽のプロバイダーとして選ばれたという内容となっています。

コンソーシアムを構成する企業のひとつOCIのニュースリリースには、関係企業のコメントが載っていますので確認してみて下さい。

『Fertiglobe’s Green Hydrogen Consortium Selects Plug Power to Deliver World-Scale 100MW Electrolyzer』

さて、なぜ私がこのニュースリリースに大変興奮しているのか?という部分を書いていきたいと思いますが、主に上げたい部分は2つです。

①事業領域の拡大
②マテリアルハンドリングに続く事業の拡大

この2つの今回のキーワードは、今後のPLUGの事業成長性を予測する上で非常に重要な項目だと感じています。

まず①についてですが、今回はエジプトに世界最大の電解槽を供給することとなるのですが、このエジプトへの事業進出というのが大きな意味を持ちます。

少し話が逸れますが、エジプトに関わらず、現在の中東諸国は基幹産業である石油産業からの脱却を目指しているわけですが、その一つにグリーン水素を主要産業に育成しようという動きがあるわけです。

ご存知の通り、グリーン水素を生産するには太陽・風力・水力などの再生可能エネルギーを使用した方法で水素を生産する必要があるわけですが、とりわけ太陽光、風力資源に世界的にも恵まれている地域であり、グリーン水素生産に関しては世界の中でもトップクラスの競争力を持つことになる可能性を秘めている地域が中東となります。

近年、中東諸国はグリーン水素向けの巨額投資を続けており、これに応じて大手企業を中心となりグリーン水素プラントの建設計画が発表されています。

将来的に石油産業は縮小していく事が予測されるわけですから、それに伴い国力低下を防ぎ次の基幹産業を育てたい中東諸国は必死になってこの分野に投資を行い規模を拡大していく事でしょう。

巨額の石油マネーが流れ込むことが考えられ、尚且つ豊富な再生可能エネルギーを活用した安価なグリーン水素を生産することが出来る様になれば、非常に大きな市場が中東に出来上がることとなります。

その中東にPLUGの技術力が認められて世界最大規模の電解槽を設置できる意義は非常に大きいと言えるでしょう。

また②についてですが、直近の決算レポートでも発表されたように、マテリアルハンドリングに続く会社の柱に育ってきそうなのが電解槽販売事業です。

今後の通期ガイダンスを上方修正していますが、今回の動きもあってのガイダンス引き上げだったのでしょう。という事は、今回のニュースリリースにも書いてある通り、今後の電解槽販売事業の進捗状況が明るい見通しであるということが読み取れます。

公表しているガイダンスの達成に向けて良い動きであると同時に、PLUGが手掛ける電解槽はPEM(固体高分子水電解)電解であり、デメリットとして生産コストが高いというのが挙げられますから、生産数増加に伴う量産効果によりコスト削減を進め、更なる品質、価格面での改善が進んでいく事で競合他社との優位性を確保できる可能性が高まります。

今回の件で売上は伸びるでしょうが、黒字転換にまでは恐らく望めないのも確かでしょう。しかし、順調な事業とガイダンス達成に向けた進捗が図られている、また長期的に更なる飛躍に向けた事業展開が望めそうなところにかなり期待が持てるのではないでしょうか。

補足:グリーンアンモニアとは?

ニュースリリースの本文中に「グリーンアンモニア」という単語が出てきていますが、これはなんぞや?という部分を補足してきます。

まずはアンモニアの生産方法ですが、簡単に言ってしまえば水素と窒素から作るわけですが、この時の水素は化石燃料から生産された水素を使用しています。現在ではこの方法が最も安価に生産できる手法なわけです。

この工程を化石燃料から水に置き換え再生可能エネルギーを使用して生産されたアンモニアが「グリーンアンモニア」になるわけです。

現在の手法では二酸化炭素が多く輩出されますが、後者の方法であれば当然それは排出されません。

特にアンモニアは様々な分野で活用される非常に重要な物資なわけですが、水素エネルギーを活用する上でもなくてはならない存在となります。

アンモニアという物質の特徴としては、

・マイナス33度という比較的高温で液化する特性上、水素エネルギーキャリアとして長期貯蔵、輸送が容易というメリットがある。
・アンモニアのままも焼いても二酸化炭素を排出しない。
・アンモニアのまま燃焼させる事も出来る。

という、他の物質にない程に、水素という物質と相性が良いのが特徴です。

特に、水素という物質は取扱いが難しく、今後の水素社会を築いていく上での課題としては、安全性の確保、コスト面、輸送や貯蔵に対する課題をクリアしていく必要があります。

しかし、アンモニアという物質は100年前に遡るほど、産業の様々な部分で活用されてきた歴史があり、現在に至るまでに広く活用されてきたわけですから、既に整備されているインフラ面も含めた部分で非常に優位性がある物質とも言えます。

今回の発表により、

「安価で安定的な再生エネルギー」を活用
 ↓
「PLUGの電解槽で水からグリーン水素を生産」
 ↓
「生産されたグリーン水素から空気中の窒素を原料としたアンモニアを生産」

という工程が出来上がるわけですから、とても凄い事だと思いませんか?世界のグリーン水素生産プロセスにPLUGの技術が組み込まれるという事ですからね。

一歩ずつ着実に水素関連企業のトップランナーに成長しているように私には見えています。

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