【再燃】米中貿易摩擦のデジャブと米議会の強硬姿勢

めーめーおじさんです。

6月1日のロイター通信によると、中国政府が国有企業に対して、米国の香港に対する優遇措置撤廃表明に対する対抗措置として、米国産大豆と豚肉の購入停止を指示したとニュースが流れています。

今年に入り米中は貿易協定を結び、中国側が米国より2年間で2000億ドル分の輸入を増やす約束をしています。

5月に入り米国側はこの約束を中国側がしっかり守るか見守っているとコメントを出していましたが、いよいよ中国側からはっきりと守る意思がない事が示されました。

これには習近平政権が対外的に強硬姿勢を示さないと求心力を保てないだとか、トランプ政権が大統領選挙前で株価を維持しないといけない事に付け入ったとかいう話が出てきます。

しかし、ほんの一年前を振り返ってみると、パンデミックが発生する前から大統領選挙前まではトランプ政権は株高を演出してくるであろうと予測する向きが多かったと思います(私もその一人でした)。

そして、大統領に再選した後にはこれまで以上に中国に対して強硬な対応をしていくであろうと予測をしておりました。

結局は間にパンデミックが挟まっただけで、昨年からのシナリオに回帰してきているに過ぎないのかなと感じています。

昨年も割高だと言われながら株価が過去最高値を更新し続けましたし、現在も実体経済と乖離した形で株価は回復してきています。何だかどこかで見たような光景が戻ってきているような、そんな気がしてなりません。

さて、このような状況を傍から眺めていると、中国がトランプ政権の足元を見透かして攻勢をかけているようにも見えます。

しかし、今回のパンデミックで米国は大きな経済的悪影響を受けたとはいえ、依然埋めがたい格差がありますし、どこかで大きなしっぺ返しが来るだろうと思っています。

そして最後に忘れてはならないのは、米国内で最も対中国で強硬的なのは米国議会であるという事実です。

最近もそれを証明する出来事がありましたが、あまりニュースになりませんでしたね。今年3月といえば新型コロナが猛威を振るい、投資家の皆さんが「おはぎゃあ」をしていた頃ですが、一方では米国下院議会で「台北法案」という法律が可決されました。

同法案は、台湾の外交的孤立を防ぐことを目的とした法案であり、中国の外交攻勢によりこれまで台湾と国交があった国々が断交してきた時期がありました。

これにより共和党議員から台湾の孤立を防ぐための同法案が出されたわけですが、今回可決された米国下院は民主党が多数を握っているわけですね。

そして3月4日に賛成415票・反対0票という圧倒的な票数で同法案は可決し、3月26日にトランプ大統領が正式に署名する流れとなります。

要するに、共和党が法案提出→民主党多数の議会で全員賛成→トランプ大統領が署名という流れとなっています。

日本のメディアは、さもトランプ大統領が対中国で強硬な姿勢を示しており、野党民主党は比較的親中的な論調で伝える事が多い印象です。

しかし、実際は共和党も民主党も総じて中国に対しては強硬であり、米議会=米国民が対中国に対して強硬的だという事実です。

この先、新型コロナによる2番底は来ないような気もしますが、米中対立が激しくなるにつれて一波乱ありそうな気がしています。

但し、史上空前の金融緩和を行っている状況では、乱高下しながらもしっかり上げてきそうな気がします。ここは、上記の様に偉そうに語ってみたものの、結局はよくわからない相場ということで、一定のルールに従い淡々と積立てていく事が最善であると感じます。

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