【PLUG】西海岸でグリーン水素生産施設（廃水を再生利用）建設を発表

2021年9月23日

めーめーおじさんです。

9月20日、PLUG（プラグパワー）から四カ所目となるグリーン水素生産施設の建設発表がありました。以下に原文のリンクを貼り付けておきます。

『PLUG POWER TO BUILD LARGEST GREEN HYDROGEN PRODUCTION FACILITY ON THE WEST COAST』

こちらのリリース内容を要約すると、

・サンディエゴからバンクーバーまでサービスを提供する
・カルフォルニア工場は、ニューヨーク、テネシー、ジョージアに続いて全国ネットワークに加わり、2025年までに500トン/日のグリーン水素を供給する
・米国の工場ネットワークが完全に構築されれば、ディーゼルと価格競争力のある輸送用燃料を顧客に提供できる
・このプロジェクトでは三次廃水処理プラントを建設する事が含まれている

という感じですね。

ここで注目したいのは最後の一文です。廃水処理プラントの建設というくだりですね。この辺を少し掘り下げていきたいと思います。

カリフォルニアは有数の農産物生産地域

米国カリフォルニア州については、西海岸に面してシエラネバダ山脈やモハーベ砂漠などの多様な地形を形成し、ハリウッドなどの娯楽産業から、肥沃な土地を抱える広大な盆地には一大農業地帯まであるなど、多様な産業を持つ合衆国最大の都市です。

しかし、近年カリフォルニアでは大きな問題が発生しているわけです。それが「水不足問題」です。特にカリフォルニアの農産物販売額に占める割合で上位に来るのがアーモンドとなります。

このアーモンドという農作物は、非常に水を必要とするのですが、カリフォルニアの豊富な地下水を利用して栽培されており、現在でも水使用量を減らす研究、努力が続けられているようですが、水資源の枯渇による水位の低下など非常に深刻な問題が発生しています。

また、今年に関しては史上最悪とも言われる干ばつが発生しており、多くの農家に対して水の使用量を制限する緊急命令が出されるなど、ここ最近は特に酷い状況となっているようです。

そのような中で、PLUGがカリフォルニアでグリーン水素生産施設を建設するにあたり、どのような課題がでてくるのでしょうか。

ここまで言えばお気付きになられると思いますが、PLUGも同様に水問題に直面するということです。当然水素を生産するには水が必要なわけですが、ただの水ではなく比較的綺麗な水が必要なわけです。

そこで自前で廃水処理プラントを建設し、再利用した水を水素生産用に使用しようという流れみたいですね。このプロジェクトは2023年に着手し2024年頃に稼働を目指すみたいです。

こういった事情で改めて自分の考えを軌道修正しました。というのが、これまでは地球温暖化の問題なども含め、化石燃料の代替えとなる燃料は何か？という問いかけから最終的にPLUGという企業へ投資を決断したわけですが、いくらグリーン水素がエコだとはいえ、貴重な水資源を活用するのには変わりがない訳で、そういった部分への視点が欠けていたなあと反省しています。

将来的には海水から水素が生産できるようになれば良いのですが、現在でも化石燃料と比較するとコスト高な水素ですから、まだまだ長い時間がかかりそうな感じです。

そういった状況で、廃水を再利用しグリーン水素を生産しようという今回の動きは非常に歓迎すべき事であり、PLUGという企業をさらに応援したいと思えた出来事でした。